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木造注文住宅は騒音の不満が多いのですが、その主な要因は、構造的なものとされています。住宅の生活騒音には大きく分けて「空気伝播音」と「床衝撃音(固体伝播音)」の2種類あります。「空気伝播音」は、隣室の話し声やテレビなどの音源が空気で伝わって壁を通り抜けて聞こえるもので、「床衝撃音(固体伝播音)」は、上の階の足音や落下音のような、直接床が振動して響くものです。建物の構造や内装材の仕様によって、どんな周波数の音がどんな風に伝わるかが異なり、同じ防音材を使ったとしても、効果には差が出てしまいます。それぞれの特性と相性をふまえて、最適な防音材を選んで、正しく施工することが大事になってきます。
総務省の統計によると、日本の一戸建ての実に9割が木造住宅です。木造は、古来より日本人に親しまれてきた、馴染みのある建築様式。木造住宅のメリットには、下記のものがあります。
メリットが多い一方、デメリットもあります。木造は、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造と比べて、強度や耐震性が低いのが特徴です。また一般的に、他の建築様式より木造の方が音漏れしやすいと言われています。
木造住宅の防音性が不安だという人は多いのですが、建築技術が向上した昨今では、木造でも高い防音・遮音が可能となりました。工務店やハウスメーカーなどが取り入れている「高気密・高断熱住宅」は、建物に隙間ができないように作られていますので、外からの音が入りづらくなっています。また、音が入ってきたとしても、壁に使用されている断熱材が吸収してくれるのです。
防音とは、音を遮断する「遮音」と、音を吸収する「吸音」の2つから成ります。この点からも、建物に隙間ができないように作られている高気密・高断熱の家は、必然的に防音性も高いです。高気密・高断熱の家は、外気の浸入を防ぐため、空気が入り込む隙間を徹底的にシャットアウトしています。これによって、音の侵入も防ぐことができますので、高い遮音性があります。また、遮断しきれなかった音も、壁の中に設置されている断熱材が吸収してくれ、吸音性にも優れています。
企業独自の防音・遮音技術も日々進化していて、鉄筋コンクリート造と同程度の遮音性を持つ木造の床も開発されています。
防音に優れた資材には、二重窓、仕上材、高遮音性フローリング材などがあります。防音対策には多くの人が高い関心を寄せているため、ハウスメーカーや工務店も、防音性を備えている木造建築を多く手がけています。新築の木造注文住宅を建てる際は、ぜひハウスメーカーや工務店に相談してみてください。
壁や床の防音効果を高めたい時に気軽に活用できるものに、防音シートがあります。防音シートは、壁に貼ったり床に敷いたりするだけで防音性を高められる優れもの。子供がいる家庭でも重宝します。その他には、パネル、絨毯、カーテンなどもありますので、建築後でもリフォームやDIYによって、自分で防音性を高めることもできるのです。
木造の注文住宅を建てる際には騒音トラブルを心配している人も多いことでしょう。前述したように、木造でも防音・遮音性能が高いものもありますので、関心がある人は、ハウスメーカーや工務店などで相談してみてはいかがでしょうか?